2023年12月31日日曜日

2023年展覧会ベスト5


年末恒例の、展覧会マイベスト5を発表します!

今年はわりと悩まずに、すんなり選ぶことができました。鑑賞した時点で「これは今年のベストに入る!」と直感する展覧会が複数あったものですから。

以下、例によって順位は付けず、鑑賞した順に記載していきます。

自然という書物 15~19世紀のナチュラルヒストリー&アート(町田市立国際版画美術館)
ナチュラルヒストリー(自然史・博物学)とアート(芸術・技術)の関係を示す展覧会。信仰や道徳という人間の内面、自然を「書」として読み解く人間の科学的な視線と美意識、そしてそれらを作品として表現するためのテクノロジーという様々な要素の関りを通じて、人間が「世界をどう見てきたか」がわかる構成になっていました。

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開(アーティゾン美術館)
圧倒されました。美術館の全フロアを使って、抽象絵画が誕生してから美術界に君臨し、世界中へ広がり現在も変容し続けていく様子が描かれていました。扱う範囲が広すぎて、正直手におえない感もあり。

やまと絵-受け継がれる王朝の美-(東京国立博物館)
こちらも圧倒的な物量。絵巻の代表作品が揃っていたこともあり、時間がいくらあっても足りません。本当にすごかった。この展覧会に関して、日本と西洋の「自然に対するまなざし」の違いを考察するコラム(青い日記帳「自然を客体として描いた西洋画、『自然と人』を主に描いたやまと絵」)を読み、これはある意味で上に挙げた「自然という書物」と対になる展覧会だったのかな…などと思いました。

デイヴィッド・ホックニー展(東京都現代美術館)
ただただ「美しい」と、作品の中に没入できる展覧会でした。色彩の透明感と、温度や湿度まで感じられるような空気感が素晴らしい。

現代版画の小宇宙(福島県立美術館)
素朴な感じの木版画から始まり、黒と赤のシャープな構成、闇に沈むメゾチント、木版とは思えない精密さの木口版画、カラフルなシルクスクリーンまで、版画の幅広さに魅了されました。


以上です。次点として 諏訪敦「眼窩裏の火事」を挙げておきます。これは時期的に去年の展覧会かな?と思ったので(鑑賞したきっかけも、2022年のベストに挙げていた人が多かったからなのです)外しましたが、よく見たら昨年12月から今年の2月まででしたね。だったら今年のベストに入れても良かったかな。

来年はまず、今年中に見られなかったキュビスム展、モネ連作展、ゴッホと静物画展を見に行きたいと思います。その他にもジョルジオ・デ・キリコやロートレックなど、注目の展覧会がいくつかあって楽しみです。

これで今年の更新を終わります。来年もこのブログをよろしくお願い致します。

どうぞ良いお年をお迎えください。



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