2023年5月22日月曜日

スープストックトーキョーについてもう少し:その1

スープストックトーキョー(以下「SST」と略)の「炎上」について以前に書きましたが、今回はその後日談とその感想や疑問点を書いておくことにします。つらつら書いていたら長くなってしまったので、3回くらいに分けます。


まず最初は「SSTは女の吉野家なのか」問題とその周辺について。

この件を取り上げたYahoo記事に、社会学者の千田有紀氏が「女性向けの牛丼屋というコンセプトでできた店だっただけに」というコメントを寄せたところ、「社会学者がネットのネタを真に受けている」などと批判されて炎上したとのこと。もともとネット上では「SSTは女の吉野家だ」という言説があり、今回の騒動で「吉野家コピペ」のバリエーションまで登場していたため「それwwネタなのにwwww」と思った人が多かったみたい。 

しかし当然ながらそんなわけはありません。千田氏は改めて記事を投稿し、社長さんのインタビューが根拠であることを示しました。

 ■ もうひとつのスープストック炎上(千田有紀)

この中で「文春オンライン」の記事が引用されていますが、リンク先のアドレス間違ってません? クリックしたら#1ではなく#2に飛んでしまいましたよ。正しいURLはこちらでしょう。

 ■ Soup Stock Tokyoが「エキナカ」で成功した理由 

該当箇所を引用します。

で、よく言われたのは、女性が白いご飯を堂々と食べられるのがありがたい、と。特に夜ご飯ですよね。夜の8時くらいまで残業して、帰り際に駅のスープストックに立ち寄って夜ご飯。<中略>ランチならまだしも、夜に女性がひとりで牛丼屋とか、無理じゃないですか(笑)。そこに、駅にスープストックがあると。

つまり男性が牛丼屋に入るような気軽さで入ってしっかりした食事ができるお店、ということですよね。「それはコンセプトとは言わない」という反論もあるみたいですが、少なくともネットのネタを真に受けているという批判は当たらないわけです。

で、ですね。私はそれとは別に「夜に女性がひとりで牛丼屋とか、無理じゃないですか(笑)」の部分がちょっと気になりました。何かモヤモヤするというか、もっと言うと不快。女性がひとりで牛丼屋に入ることを当然のように「無理だ」と言ってのけ「(笑)」。この「(笑)」はいったい何なんですか!?

この「(笑)」は、前回にも書いた「ひとりで食事をする女性」に対する視線に通じるものがあるような気がするのですよね。その視線が今回の騒動の根底にあって重要な意味を持つと思うので、今後もう少しじっくり考えてみたいところです。


スープストック トーキョー スープ 8 セット カジュアル 箱

さて、次は「SSTの食事はそんなに少ないか」問題。その前にまずDIAMOND Onlineの記事をご紹介します。

 ■ スープストック、離乳食提供で「勝手に騒ぐSNS」への毅然とした声明に賞賛(鎌田和歌)

この記事で意外だったのは「確かに女性の一人客利用が多いイメージのある店だ。<中略>ただ、近年では男性の一人客も以前より見かけるようになったという印象があった」という部分。私の経験で言うと、SSTに行き始めた2000年代後半の頃の方が男性客を見かけており、お店に入ったら女性客ばかり……というのはむしろ最近のことなんです。これは店舗の立地、曜日、時間帯によって差がありそうですね。自分の見ている光景がすべてではないわけです。

で、SSTに男性が行かないのは「量が少ないからだ」と、よく言われます。確かに量が多いとは言えないし、Twitterを見ていると女性からも「少ない」という感想が多いみたい。中には写真を引用して「たったこれだけのスープにそんな高い金出すなんて」みたいなツイートもあって(´・ω・`)

でもそんなに少ないですかね? スープとはいえ具だくさんの「食べるスープ」が多いし、けっこう満足感あると思うのですけど。お値段も、まぁ安いとは言いませんが、味や品質を考えるとそんなに高くもないと思いますよ。

もちろん、実際に行ってみて足りなかったという方が多いのはわかります。しかし写真の印象で実際より少なく見えている可能性もあるのではないでしょうか。SSTのスープは縦長のカップに入っているので、特に上の方から撮った写真だと実際より小さく見えるように思います。冒頭に載せた写真は「カレーとスープのセット(ご飯普通盛り)ですが、私はこれだとちょっと多すぎるくらい。そんなに小食じゃないはずなんですけどね。まぁ加齢で代謝が減っているのかもしれませんが……。

野菜が多いからダイエット向きに見えますが、ここの白胡麻ごはんは要注意です。炊く時にひまわり油とオリーブ油を混ぜているので、見た目よりカロリーありますよ。ダイエット中の方はサイドメニューをパンにするか、もしくはスープ単品をお勧めします。


ところで、SSTと似た感じのお店(高級感のあるファストフードで女性がひとりで入りやすい)として「だし茶漬け えん」というお店があります。

ご飯におかず(主に魚介類)を乗せて「だし」をかけるというお料理なのですが、「スープストック」って和食で言うと「だし」ですよね? SSTと比べると、値段は200円くらいお安めかな? ご飯の量は多いですが、おかずもだしもあっさりめなせいか、全体のボリュームは同じくらいに感じます。

というわけで、お店のスタイルも分量もSSTに似ていてスープという共通項もある「えん」ですが、ここでは男性客をよく見かけます。あまりあちこち行ったわけではありませんが、高田馬場の地下にあるお店ではそうでした(ただし利用したのは昨年の夏以前なので、現在の様子はわかりません)。えんで足りるならSSTでも足りるはず! と思いますがどうでしょうか。

そしてSSTに似たお店といえば、チャウダーズはどこへ行ってしまったのでしょう!?

ここもスープ専門店で、ミッドタウンの地下にあったお店を時々利用していたのですが(六本木駅からサントリー美術館へ行く途中にあったので)数年前に閉店。他にも数件あったはずなのですが、いつの間にか見かけなくなってしまいました。味はSSTより濃い目だったかな。パンが美味しかったのですが大きすぎていつも食べきれず、半分包んで持って帰ったりしていました。ミッドタウンのお店はすごく狭かった! 特にカウンター席はテーブルの奥行きが狭くて、座ったら目の前がすぐ壁みたいな感じでした。

そんなこんなで、今回はここまで。次は「騒動の後、店の様子は変化したのか」問題を取り上げます。


Soup Stock Tokyoのスープの作り方

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