2026年3月8日日曜日

仁藤夢乃ほか『Colabo攻撃 暴走するネット社会とミソジニー』

3月8日は国際女性デーということで、地平社から1月に出版された『Colabo攻撃 暴走するネット社会とミソジニー』を読みました。

Colaboはさまざまな困難を抱える若年女性を支援する団体で、東京都を拠点としていますが被災地支援など全国的な活動も行っています。数年前には「会計不正がある」などのデマを流されて激しい攻撃に遭い、その一部は今も続いています。本書ではその攻撃が誰によってどのように始まったか、などの経緯が記されています。

著者名として6人の名前がありますが、大半のパートはColabo代表である仁藤氏が書いています。仁藤氏が単独で書いたのがI章とIII章で、これだけで全体の3分の2くらいになります。個人的にはIII章がたいへん興味深く、また衝撃でもありました。

本書の目次は次のようになっています。

Colabo 危機と絶望を感知するセンサー(安田浩一)
I なぜColaboが攻撃されるのか(仁藤夢乃)
II Colabo攻撃とは何だったのか
  デマはどのように生まれたのか(神原 元)
  家父長制に抗おうとする女性への制裁(小川たまか)
  ミソジニーの収益化の実態(太田啓子)
III 少女たちの居場所を襲ったデマの影響(仁藤夢乃)
IV 攻撃を乗り越え、連帯へ Colaboという「関わり」の場所(田中優子)
Colaboとつながる女性たちの声

ただ目次を見ても内容との関連がちょっとわかりづらいかな……と思いました。

というわけで、以下順番に内容をご紹介しておきます。

Colabo 危機と絶望を感知するセンサー

読んだことあるなと思ったら「週刊女性PRIME」に掲載されたものの再録ですね。ちょっと加筆されているみたいですが。

 歌舞伎町でさまよう少女の居場所を作った社団法人『Colabo』仁藤夢乃さん

I なぜColaboが攻撃されるのか

仁藤氏がどのようにしてColaboを立ち上げて活動してきたか、また激しいデマ攻撃や妨害がどのようなものだったかという経緯。「炎上」騒動についてはSNSで見かけてはいたものの、思ったより大規模で凄まじいものだったことがわかりました。

II Colabo攻撃とは何だったのか

この章を執筆した神原氏と太田氏はColaboの訴訟代理人。小川氏はライターで、Yahoo!ニュースにもエキスパートとしてColabo関連記事をいくつか書いています。Colabo攻撃の中心人物と言える暇空茜との裁判闘争の数々、その他のアカウントの動向や収益化の実態など。

暇空との紛争はすべてColabo側の勝利に終わっていますが、暇空側には損害賠償や裁判費用を支払ってもなお有り余るほどの寄付金が集まっているといいます。つまり勝算は関係なくいくらでも裁判を仕掛けることができるわけで、それを考えると何だか絶望的です。実刑にでもなれば別なのでしょうが。(暇空茜は刑事告訴もされており2025年に在宅起訴されています)

III 少女たちの居場所を襲ったデマの影響

個人的に最も衝撃を受けた章です。Colabo側には「弁護団」が結成され、上記のお二人以外の弁護士も代理人業務を行っていましたが、その中にちょっと問題を抱えた人が混じっていたらしく……。依頼人と代理人の信頼関係について、いろいろ考えさせられました。

いわゆる「カルピス軍団」との関係や経緯はイマイチよくわからなかったので、このあたりはもう少し詳しく知りたいところです(知らなくても良いかな、という気もするけど)。

もうひとつ驚いたのはNHKの「謝罪」のえぐさ。ここまでやるかと思いました。

IV 攻撃を乗り越え、連帯へ Colaboという「関わり」の場所

Colabo理事で元・法政大学総長でもある田中優子氏のパート。Colaboが支援機関ではなく「当事者運動」であることの意味が改めてわかりました。

Colaboとつながる女性たちの声

女性たちのナマの言葉を記したこのパートも、とても印象深いです。プロの書き手ではないので、文章が上手いわけではないのですが、だからこその飾らない迫力があります。


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