2025年11月24日月曜日

美術作品の切手で作るマキシマムカード(7)

今回は、絵画切手展の小型印で作ったマキシマムカードをご紹介します。

マキシマムカードとは、ポストカードの絵柄面に切手を貼って消印を押したもので、その3つの要素が同じデザイン、または関連性のあるテーマであることが条件です。

つまりポスカ率の高い絵画作品は、マキシマムカードにはもってこいの素材。

……なのですが、いざ作ろうと思うと案外難しいものですね。それは、このシリーズの(3)で書いたとおりです。

 美術作品の切手で作るマキシマムカード (3)

やはり消印が難関!あきらめて「ポストカード+おそろいの切手」としてポスクロで使ってしまったものもけっこうあります。

そのような中で、切手の博物館で年に1回開催される「絵画切手展」(主催:公益財団法人日本郵趣協会、絵画切手研究会)は、絵画切手でマキシマムカードを作成できる貴重な機会です。この展覧会に合わせた小型印があるためです。

小型印とは、ある特定のイベントに合わせて期間限定で使用される消印です。名前のとおり、サイズが風景印より一回り小さくなっています(直径32mm)。

最初に作成したのは、2021年の第18回絵画切手展で、この時の小型印は上村松園の《母子》です。東京国立近代美術館に所蔵されているので、何度か見る機会がありました。切手は2012年の「東京国立近代美術館開館60周年・京都国立近代美術館開館50周年」記念切手です。

2022年は鏑木清方の《築地明石町》で、これは難しかった!1971年の切手趣味週間で切手になっていますが、昭和46年ですから、額面が15円なのです。この時ハガキ料金は63円ですから、4枚買って「田の字」に貼ってもまだ足りません。いやそれ以前に4枚も貼るスペースないし!というわけで、別の切手を合わせました。左上にうっすらと帆船が描かれているので船の切手です。うーん、朝顔の切手を下に貼った方が良かったかな?

この《築地明石町》は長らく所在不明になっていましたが、清方の没後50年になる2022年に発見され、現在は東京国立近代美術館に収蔵されています。これも展覧会で見て来ましたよ~。

2023年は松園の《鼓の音》で、切手としては2011年の国際文通週間と2020年の「美術の世界シリーズ2」で2回使用されています。この作品は奈良県の松伯美術館に収蔵されていますが、2022年に東京富士美術館で開催された「上村松園・松篁・淳之三代展」で見て来ました。ポストカードもその時に購入したものだと思います。3つの絵柄がバッチリなのは気持ちが良いですね。

2024年も松園で《牡丹雪》です。これは2010年の国際文通週間の切手で、ポストカードは収蔵元の山種美術館で購入しました。作品も見たことがあると思います。押印はとても美しいのですが、切手を貼る時にナナメってしまったのが惜しい。まっすぐ貼れるように頑張ります。あと、消印の位置は切手の横にした方が良かったかな?

そして今年2025年は、またもや松園で《春芳》ですね。2012年の国際文通週間の切手です。この作品も山種美術館に収蔵されていて、ポスカもここで購入しました。

さて、ついでと言ってはなんですが松園つながりで今年の「切手趣味週間」切手で作成したマキシマムカードです。向かって左側が松園の《序の舞》、右側は土田麦僊の《舞妓林泉》です。

最近の「切手趣味週間」切手は、過去に使用された切手の再登板シリーズになっているようです。《序の舞》は1965年、《舞妓林泉》は1968年に使用されました。《序の舞》は2020年の「美術の世界シリーズ」でも使用され、1999年には上村松園本人とともに文化人切手にも登場しているので、切手になるのはこれで4回目ですか?

そんなこんなで、美術切手のマキシマムカードシリーズは今回でいったん終わります。まだ作成中の長大なシリーズもあるので、それが完結したらまたご紹介したいと思います。


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美術作品の切手で作るマキシマムカード(7)

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