前回は2023年度発行の特殊切手について、予想やら感想やらを書きました。
ここで一つ気になっていることがあります……それは、切手の分類基準。
どの切手がいつ発行されるかは、前回もご紹介した「発行計画」でわかります。
■2023(令和5)年度特殊切手発行計画(プレスリリース)
このページからリンクされているPDF版プレスリリースを見てみると、最初のページには「2023(令和 5)年度に発行を計画している題材」として、
- 記念事項に関する題材
- シリーズの形で発行する日本郵便独自の題材
- 郵趣と手紙文化の振興のために発行する日本郵便独自の題材
この3種類がリストアップされ、それぞれに「G7広島サミット」「おもてなしの花」「切手趣味週間」など具体的な名前が記載されています。
そして3ページ目では発行計画が日付順に並んでいますが、なぜかここでは分類が「特殊」「グリーティング」「ふるさと」という、上記とは違う項目名になっています。なぜ!?
これを表にまとめると
発行日 | 分類1 | 分類2 | 名称 | 消印 |
---|---|---|---|---|
5月10日(水) | 1. 記念事項 | 特殊 | G7広島サミット | 特印 |
5月24日(水) | 1. 記念事項 | ふるさと | 国土緑化(岩手県) | 黒活のみ |
8月21日(月) | 1. 記念事項 | 特殊 | 日・ペルー外交関係樹立150周年 | 特印 |
9月6日(水) | 1. 記念事項 | ふるさと | 特別国民体育大会(鹿児島県) | 黒活のみ |
9月21日(木) | 1. 記念事項 | 特殊 | 日・ベトナム外交関係樹立50周年 | 特印 |
4月5日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | おもてなしの花シリーズ第20集 | 絵入り |
5月17日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | 自然の風景シリーズ第3集 | 絵入り |
6月28日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | 海のいきものシリーズ第7集 | 絵入り |
8月2日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | 美術の世界シリーズ第5集 | 絵入り |
12月6日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | 絵本の世界シリーズ第7集 | 絵入り |
12月13日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | おいしいにっぽんシリーズ第5集 | 絵入り |
1月24日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | 自然の記録シリーズ第4集 | 絵入り |
3月6日(水) | 2. シリーズ | 特殊 | My旅切手シリーズ第9集 | 絵入り |
4月12日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | ハッピーグリーティング | 絵入り |
4月20日(木) | 3. 郵趣と手紙 | 特殊 | 切手趣味週間 | 特印 |
4月26日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | シンプル | 黒活のみ |
6月7日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | 夏のグリーティング | 絵入り |
7月12日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | キャラクター① | 絵入り |
7月21日(金) | 3. 郵趣と手紙 | 特殊 | ふみの日 | 特印 |
8月9日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | 秋のグリーティング | 絵入り |
9月13日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | キャラクター② | 絵入り |
9月27日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | ライフ・花 | 絵入り |
10月6日(金) | 3. 郵趣と手紙 | 特殊 | 国際文通週間 | 特印 |
11月22日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | 冬のグリーティング | 絵入り |
1月17日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | キャラクター③ | 絵入り |
2月7日(水) | 3. 郵趣と手紙 | グリ | 春のグリーティング | 絵入り |
このようになります。「消印」は「郵趣のための押印サービス」用消印のことで、通常は切手デザインと一緒に発表されます。なのでまだ発表されていない切手については、今までの実績からみてこうなるだろうという予測で書いています。
プレスリリースの最初のページにある1~3は、切手ではなく切手の「題材」がこの3種類ということなのでしょうか。切手の分類としては「特殊」「グリーティング」「ふるさと」の3種類であると。この3つの違いもいまいちピンときませんが、そういうことかなとも思ったのですが。
しかし「消印」の違いでまたまた混乱してしまいます。題材1と3の「特殊」切手には特印、題材2の「特殊」切手には絵入り(絵入りハト印)が使用されます。そしてグリーティング切手はすべて絵入りハト印。この違いは何?
特印と絵入りハト印はどちらも切手に合わせてデザインされた消印でサイズは直径36ミリ。絵入りハト印はその名の通り、デザイン内に小さなハトの絵が入っています。押印できるのは切手発売日の1日だけ。特印の方はハトの絵がなく、手押しの方だけ切手発売から7日間押してもらうことができます(機械印は初日のみ)。
特印と絵入りハト印がどう違うのかは、それでだいたいわかるのですが、なぜその2種類があるのか、なぜ使い分けなければならないのかが、さっぱりわかりません。ベテランの郵趣家の方々には自明のことなのでしょうか? 記念事項系が「特印」なので、何となく特印の方が偉いのかな、という印象はあるのですが。題材3でも切手趣味週間や国際文通週間などはグリーティングより古くからあって偉そうな感じなので、何か歴史的な理由があるのかもしれませんが、切手を使う側からしたらそんなのどっちでも良くないですか? 民営化されてずいぶん経つのに「お役所」感が強いというか……。
それにしても、今回発行計画表をまじまじと見てようやく気付いたのですが、「おもてなしの花」って題材2のシリーズ切手だったのですね! ずっとグリーティング切手だと思っていました。それから来年度の発行はありませんが「世界遺産」もシリーズ切手。世界遺産登録「記念」というわけではないのですね。こちらも佐渡金山が難航しているので、今度どうなるのでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿